木村秋則式自然栽培まとめ

弊社でも取り組んでいる木村秋則式自然栽培ですが、

自然栽培とはそもそも何か?

他の自然栽培とは何が違うか?

味などにはどのような影響があるか?

など気になると思います。

また、木村式自然栽培は日本でどの程度広まっているかなどをまとめました。

 

自然栽培とは

自然栽培は、奇跡のリンゴで話題になった木村秋則氏による農産物の栽培方法です。

木村秋則氏は、世界で初めて無農薬・無施肥のリンゴの栽培に成功しました。

きっかけは、妻:美千子さんの農薬アレルギー。

はじめは、年10回程度の農薬を半分の5回に。翌年は3回にという具合に農薬の使用を減らしていきました。

木村氏は、1978年からリンゴの無農薬栽培に挑戦開始しました。

しかしながら日本の温暖な気候では、病気や害虫が旺盛で、無農薬で育てることは困難を極めました。

農薬不使用のため、害虫を手作業で駆除しなければなりません。

毎日かなりの重労働を強いられましたが、木村氏は少しずつリンゴの栽培方法に改良を重ねていきました。

 

ある時木村氏は、大豆の根粒菌の作用で土作りを行ったらよいのではと気が付きました。

大豆を利用したリンゴ栽培は徐々に状態が良くなり、1986年に木村式自然栽培の基盤が確立しました。

農薬不使用・無施肥でのリンゴ栽培は、慣行栽培をしている農家からは不可能だと言われていました。

弘前大学農学生命科学部の杉山修一教授は「(リンゴの無農薬・無施肥の栽培は)おそらく世界で初めてではないか」と評しています。

 

他の栽培方法との違い

木村秋則氏は、愛媛県出身の農学者である福岡正信氏の著作『自然農法』を参考にして無農薬のリンゴ栽培をはじめました。

木村式自然栽培は、田畑の外部から化学肥料、合成農薬、除草剤などの資材を持ち込まず、自然が本来持っている力を最大限引き出して栽培を行う農業方法です。

農薬はもちろん使いませんし、いわゆる有機肥料も一切使いません。

参考にしている福岡氏の自然農法では不耕起ですが、木村式自然栽培では耕起は否定していません。

除草に関しては、作物に害虫がつかないようにするために、コンパニオンプランツとしてあえて除草しない部分もありますが、除草は行います。稲作の場合、除草したものは土中にすき込んで肥料にします。外部から肥料を持ち込まず、その土地にあるものを肥料にします。

 

木村氏が参考にしたという福岡氏の自然農法は、不耕起(耕さない)、無肥料、無農薬、無除草を特徴としています。

大自然の循環サイクルにおいて、人間が手を加えることは本来のありき自然の姿からかけ離れていく事を意味しています。

極力人が関わらずに自然との調和を図ることに注力する農法です。

果木でいえあば、剪定作業をしない摘果作業をしない等、収量を増やすために行っている人為的作業をあえて行わずに、自然なままを活かしながら育てていきます。

木村式自然栽培とかなり近い栽培方法といえます。

 

日本で初めて自然農法を提唱し取り組みをしたと言われる岡田茂吉氏の農法は、農薬はもちろん人糞肥料や化学肥料なども⼀切使⽤しない。

自然から得た枯れ草や藁などで堆肥を作って⽥畑に還元し、⾃然界の⼟壌と同じ⽣命⼒溢れる⼟を作る。⾃然の仕組みを再現した生産方法です。

堆肥による施肥を行うという点で、木村秋則式自然栽培とは異なります。

 

JAS法の有機農産物の日本農林規格第2条では、

有機農産物は、次のいずれかに従い生産することとする。
 農業の自然循環機能の維持増進を図るため、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避ける
ことを基本として、土壌の性質に由来する農地の生産力(きのこ類の生産にあっては農林産物に
由来する生産力を含む。)を発揮させるとともに、農業生産に由来する環境への負荷をできる限
り低減した栽培管理方法を採用したほ場において生産すること。
 採取場(自生している農産物を採取する場所をいう。以下同じ。)において、採取場の生態系
の維持に支障を生じない方法により採取すること。
農林水産省:https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/hajimete-2601.pdf)

と、有機農法を定義していますが、これは自然に優しい農法を行うという意味であって、農薬不使用や肥料不使用ということではありません。

”オーガニック”という言葉もありますが、日本国内における定義上は「オーガニック≒有機栽培」で、オーガニックは自然栽培生産物のことを指しているわけではありません。

そのため、いわゆる有機栽培は自然農法や自然栽培とは異なります。

JAS法等では「自然農法」「自然栽培」は定義されていません。

 

自然栽培の味は

木村式自然栽培のお米は、食味会などで「味がしっかりしている」「どこか懐かしい味」などの好評を集めています。

とある自然栽培に取り組む農家の方は、硝酸態窒素(wikipedia)が少なくなるので、食味が増すと言っています。

自然栽培は、農薬や化学肥料不使用なので安心・安全な食べ物といえるかもしれません。

 

木村式自然栽培米と木村式自然栽培米のお酒

弊社では、自社管理農場で木村式自然栽培を実践しています。

農場では水稲をおこなっており、生産したお米の販売も行っています。

また、食用米だけでなく酒用米として山田錦も生産して、日本酒も製造販売しています。

みなさまに食の安心安全を届けるために、今後も自然栽培を広めてまいります。

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