コーシャの歴史

コーシャはユダヤ教の聖典で定められた食に関する厳しい規定です。

そしてコーシャは宗教の一規定であるにも関わらず、食に関する市場には多大な影響をあたえつつあります。

コーシャフードの独自性に目を付け、ビジネスを始めようという考えが生まれるのにそう時間はかかりませんでした。

1911年、今や世界最大の一般消費財メーカーであるプロクター・アンド・ギャンブルが自社製品の1つであるクリスコをコーシャフードとして宣伝した最初の会社になりました。

その後20年間の間にLender’s Bagels(レンダーズベイグルズ)、Maxwell House(マクスウェルハウス)、Manischewitz(マニッシュウィッツ)などが続いてコーシャフード産業に加わりどれも今やアメリカを代表する超大手食品会社になっています。

1960年代に、ヘブライナショナルという食品メーカーは、ユダヤ人と非ユダヤ人の両方にアピールするために、「より高い権威に答える」キャンペーンを開始しました。

それがきっかけに、「コーシャ」は品質と価値の両方の象徴になりコーシャ市場は急速に拡大しました。※1

なぜコーシャは品質と価値両方の象徴になることができたのでしょうか?

それはコーシャ認証の規定を合格するための確認が材料の仕入れ、加工、梱包から全てにおいて徹底的に行われているからです。

宗教的理由で口にできるもの、できないものを分けているので、コーシャではないものがどこかの過程で混ざってしまうなんてことはあってはならないのです。

また、コーシャの規定の中で肉製品と乳製品を混ぜてはいけないというものがあり、その為コーシャの認証を受けたものは肉製品、乳製品、どちらも含まれていないという表記をする必要があります。

その徹底性から、アレルギー・健康に気を使っている人や混ざりものがない食品を求める人からの需要も急激に増え、コーシャ認証がついている食品は品質と価値が約束されているものと認知されていきました。

また、コーシャ認証の過程だけに限らず、規定で食べられる物が健康的にも理にかなっていることからコーシャフードは健康にも良いという考えもあります。

たとえばシーフードの中には食べられないものがいくつかあります。水域の底またはその近くで餌をとる水生動物(低生成物)に分類されるカニ、エビ、貝、ウナギは、人体に害を及ぼす可能性のある水銀などの特定の汚染物質を含む可能性があるため、禁止されています。※2

一方、鮭や他の種類のタンパク質や栄養素が多い健康な魚は許可されています。

コーシャは古代社会の衛生意識の発達していない時代に人々の健康と衛生を守るためのものだったという意見もあり、事実コーシャの規定は健康的にみるととても理にかなっています。

今になってこそ科学力が発展し、健康な食に関する知識を手に入れたため安全にそれらの低生成物を食すことが出来ますが、昔のユダヤ人はコーシャの規定に沿って安全な食生活を送っていました。

※1. Wikipedia. .kashrut Wikipedia. Wikipedia. 2021-3-19日現在

https://en.wikipedia.org/wiki/Kashrut#History_of_kosher_supervision_and_marketing, (2021-3-19参照)

※2. KOHNS. THE HEALTH BENEFITS OF A KOSHER DIET. 2021-3-30

https://www.kohnskosher.com/the-health-benefits-of-a-kosher-diet/#:~:text=One%20of%20the%20most%20notable,to%20packing%E2%80%9D%20(Weil).

(2021-3-30参照)

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