静かな日本酒ブームと言われている昨今、その在り方も多様になりつつある中で
今一度日本酒とはなんなのか?ここで知って頂く機会を設けさせて頂きました。
今回より、週二回投稿にてお送りする「自然と酒のこぼれ話」
どうぞ、お楽しみくださいませ。
■はじめ お酒とは?
お酒の定義は「アルコールが含まれる液体」とされます。対象とされるアルコールはエチルアルコール(エタノール)を指し、酒税法第2条1項はアルコール成分が1度以上のものがお酒と言われます。
お酒の種類は大きく分けて3種類。
・日本酒・ビール・ワイン等、原料と酵素を用いた発酵で造られた醸造酒
・焼酎・ウィスキーやブランデー等、発酵後蒸留させて造られた蒸留酒
・既に醸造した酒類に素材を混合させた混成酒の3種になります。
その中で日本酒は「醸造酒」に該当し、酒税法3条7項では米・米麹・水を原料とし、発酵させて漉したもの事を指します。
・日本のお酒の歴史は?
日本国内の酒類で最古からその存在が確認されているのは「口噛み酒(くちかみさけ)」や「八塩折之酒(やしおおりのさけ)」と言われております。
日本朝廷が造り始めた記述があるのは689年、その流れから当時の宮内省には造酒司(さけのつかさ)に酒部(さけべ)という役職が生まれました。
■日本酒はどうやって作るの?
・工程
精米したお米を蒸し、水と麹を混ぜで発酵させたものをろ過させ、味を整えます。
発酵の仕方
・日本酒の発酵の麹による「糖化」、酵母による「発酵」を同じ樽で行う並行複発酵
・ビール・・・糖化と発酵を別のタンクで行う単行複発酵
・ワインは発酵のみの単発酵で行われます。
■酒米の種類
私たちの口にするお米は食用米と言われ、日本酒になるお米は酒米(酒造好適米)と呼ばれています。様々な点から食用米とは異なる特徴があります。
代表的な酒造好適米は「山田錦(やまだにしき)」を筆頭に「五百万石(ごひゃくまんごく)」や「美山錦(みやまにしき)」
- 粒の大きさが食用米よりも大きい
食用米と異なり、日本酒製造の工程上白米から50%以上精米(お米を削る作業)することも多く、食用米では崩れてしまうことが多いが、酒造好適米の粒は大きい為その心配が少ない。
- 心白が大きい
お米の構造には白い芯の部分があり、心白(しんぱく)と呼びます。
この部分、醸造には重要な位置を締め酒米の心白が大きいほどお酒造りには向いています。
・よく聞く大吟醸って何を指す言葉?
巷でよく日本酒にまつわる話で大吟醸や吟醸、純米大吟醸よく聞きますが
以下のような段階で分類されます。
・吟醸・・・精米歩合60%以下
・大吟醸・・・精米歩合50%以下
※精米歩合とは、玄米から換算してお米をどれだけ精米したかで決定し、40%以上削ったものを精米歩合60%といいます。普段食べている白米が精米歩合90%前後ですので、日本酒がお米をどれだけ削って造られているのかわかりやすいと思います。
其れに加え「アルコール添加」しないで醸造された2種類だけが「純米大吟醸」「純米吟醸」と呼ばれます。
アルコール添加って何?
・味について
コクのある甘口やキレのある辛口と味わいが様々ある日本酒ですが、
それは一体どのように分類しているのでしょうか?
そのヒントとなるのが「日本酒度」とよばれる数値です。専用の機械で日本酒内の糖分を計測して、糖が多いほど日本酒度の数値が少なくなり「甘口」、少ないほど数値が高くなり「辛口」と呼ばれます。※実際に醸造から出荷までの間に変化するため一つの尺度となっている。
■日本酒の楽しみ方
日本酒の飲み方としては大きく分けて3方法があります。
・冷酒(れいしゅ)
・冷や(ひや)
・燗酒(かんしゅ)
の3つが代表的な呑み方と言われています。
冷酒は、近年の冷蔵庫の発達により生まれた飲み方で「冷たく冷やして飲む」方法です。
また、グラスに氷を入れて飲む「オンザロック」なども冷酒の分類に当たるでしょう。
冷や(ひや)は、名前と違い「常温」で楽しむ飲み方で、日本酒本来の薫りや味を楽しめる為もっとも多く飲まれている飲み方です。燗酒は、お酒を温めて飲む方法です。冬におでんと日本酒なんてたまらないですね。
季節や料理に様々な呑み方が出来るのは、日本酒のとても素晴らしい特徴と言えるでしょう。
→次回は「日本酒の製造工程」についてもっと詳しくお伝え致します。
精米歩合40% 純米大吟醸 「徳のさけ たいしょう」
農薬・肥料不使用 徳島県 山田錦100%
特徴:洗練された透き通るキレと白百合のような華やかな薫り
合わせる料理を選ばずお飲み頂けます。