木村秋則式自然栽培の農業事業について

青森県でリンゴ農園を営んでいる、木村秋則さん。木村さんは、およそ10年間という長い年月をかけて、世界ではじめて、農薬・肥料・除草剤を使用しないリンゴの栽培に成功しました。木村さんが、艱難辛苦を乗り越えて、育てたリンゴは、『奇跡のリンゴ』と呼ばれております。

木村秋則式自然栽培とは

木村秋則さんが、リンゴ栽培の際に施された、農薬・肥料・除草剤を全く使用せず、自然の力を最大限に活かした栽培方法。こちらが、木村秋則式(木村式)自然栽培と呼ばれております。

株式会社JP酒販での農業の始まり

弊社がお米を栽培している稲田は、徳島県鳴門市にございます。
主に栽培する品種は、「山田錦」です。
山田錦といえばお酒用のお米をイメージされる方が多いですが、もちろん食用として食べても美味しいお米です。

稲田は、農薬・肥料・除草剤不使用を施しはじめてから幾年もの年月が経過し、やっと「木村秋則式自然栽培」と呼する念願が叶いました。
今では山田錦を利用したお酒の生産も行い、皆様に安全安心な美味しいお酒を提供できるようになりました。

株式会社JP酒販は2014年10月30日に、代表である長原の「社会貢献事業の目的も含めて、徳島県鳴門市の稲田にて、農薬・肥料・除草剤を使用しない、自然栽培の米作り事業を開始したい」という思いで設立されました。

タニシの写真

生産開始当初は大きな苦難がありました。
収穫量が従来の約3割ほどの状況が、2年ほど続いたのです。
これは、病害虫や雑草が大量に発生し、稲の生育を妨げる原因になってしまったからです。
慣行栽培から自然栽培に切りかえたばかりの土中には、硝酸態窒素という物質が多く含まれていることが多いです。
これは本来ならば適度に植物に吸収され成長に使われるのですが、大量にある場合、草丈が伸びすぎたりする過剰成長になってしまうことがあります。
稲ではなく雑草が硝酸態窒素を大量に吸収したため稲の必要な分が不足してしまったことが考えられました。
また、害虫が集まりやすくなりさらには稲を食べてしまうタニシが大量に発生する事態が起こりました。
タニシの駆除と雑草を減らす作業は、とても大きな労力を要しました。

しかし、自然栽培をはじめて3年ほど経つと、雑草の過剰成長が収まるとともにタニシの数も徐々に減少していきました。
これは、土中に残っていた硝酸態窒素が徐々になくなり、土の生命力が強くなったことによると思われます。

さらに、土の力により、稲自体の生命力も強くなり、徐々に力強い稲が育つようになっていきました。
自然栽培で育った稲の根は、慣行栽培の稲の根よりも大きく、そして、しっかりとしています。
収穫量も、およそ3割から7割へと増加しました。

稲田に餌を求めてやってきたコウノトリ

稲田の近くには、日本の天然記念物であるコウノトリの巣があります。
しばしば、弊社の稲田にもコウノトリが、餌を探しに大きな翼を振って来てくれます。
空を飛んでいるときの、コウノトリの姿は雄大です。

※硝酸態窒素とは
植物の栄養として必要な物質の1つです。
しかし、植物が分解できないほど、硝酸態窒素を取りすぎてしまうと、植物に硝酸態窒素がそのまま残ってしまいます。
硝酸態窒素は、人間にとっては害があるため、硝酸態窒素を大量に含んだ野菜などを、気付かずに食べてしまうことが問題になっています。

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