ペサフとセーデル

ペサフになるとユダヤ教徒は家を隅から隅まで掃除し、家の中の小麦を全て取り除きペサフに備えます。

マッツァーをストックして、ペサフ用の食品を揃え一週間もの間あるペサフの一日目の夜、セーデルを迎えます。

セーデルとはユダヤ人がエジプトで奴隷から解放され、イスラエルへと期間するまでの間を忘れないようにそれぞれ意味のこもった食べ物や飲み物を決まった順番で飲食する儀式のことを言います。

セーデルを行う上で必要な要素は沢山ありますが、もっとも必要とされているものがマッツァーの皿とセーデルの皿そしてワインです。

セーデルの皿とは6つの意味のこもった食材を乗せ、それぞれが出エジプト記を象徴するものです。

春の到来と犠牲・生贄の象徴であるベイツァー(ゆで卵)、エジプト脱出の象徴のゼロア(ローストラム)、奴隷だった時の苦しみの象徴とされるマロール(苦みを感じるハーブであれば何でも大丈夫ですが一般的には西洋ワサビとされています。)、奴隷の時の作らされていたレンガの材料となる漆喰を象徴するハロセット(リンゴ、ナッツ、シナモン、ワインなどを使って作られた甘いサラダ)、春の新鮮さ、貴族や高潔さの象徴とされるカルパス(パセリが一般的ですがが、春に収穫される緑の野菜とされています。)、そしてもう一度苦しみの象徴とされているハゼレット(レタス等の葉野菜)の六つになります。※1

そしてもう一つとても重要な要素とされる、三枚に砕かれたマッツァーの上に布を被せるマッツァーの皿です。

三枚に砕かれたマッツァーもそれぞれ象徴とするものがあります。

古代のユダヤ人の司祭とされるコーヘン、司祭を支援するリバイス、そして残りのユダヤ人をそれぞれ意味します。

この二つの皿を完成させて初めてペサフのセーデルを行う準備が整います。

次にセーデルを行う上で重要なのが、ユダヤの何千年にも渡る歴史を振り返るためにハガダーというユダヤ教の冊子に基づいて十五ものステップを踏み進めることになります。

まず、セーデルの晩餐を祝うためにロウソクに火を灯し、一杯目のワインを注ぎます。

セーデルの皿から食べる前に石鹸を使わずに手を洗います。

そしてカルパスを塩水につけて食べ、砕いてある三枚のマッツァーの内真ん中の一枚を大人が隠し、後ほど子供が探します。

2杯目のワインを注ぎ、ユダヤ教徒の指導者が出エジプト記について語り、最年少のお客がいくつか質問をする時間が設けられます。

そしてお祈りを謡いながら手を洗い、食事を始める前にマッツァーを食べるためのお祈りをします。

その後、マロールを食べ、マッツァーの粉と魚のすり身でできた団子の入った伝統的なスープを飲みます。

晩餐の最後に子供たちが隠されたマッツァーを探し食後のお祈りを済ませたら三杯目のワインを飲み、子供たちが家の扉又は門を開けます(家の、扉、門を過越したことを象徴するため)。

そして最後の最後に四杯目のワインを飲み、皆でお祈りを謡いながら終わります。※2

地域や風習によってセーデルの皿に乗る食材や象徴とされる意味が変わってきます。

※1.The symbolic Foods at a Passover Seder. Dummies A Willy Brand. 2021-3-31 参照

※2. Blythe Copeland. A 15-Step Ritual: The Order of the Passover Seder, Explained.
Martha stewart 2021-3-31

https://www.marthastewart.com/265243/the-seder-ritual-the-order-of-the-seder

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